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中東欧最新ビジネス情報

EU Business Information [Direct Report]

2011年5月16日欧州(自動車)

震災の影響を受ける欧州自動車産業  トヨタ自動車が欧州5工場で数日間の生産停止に踏み切ると発表したのを受け、欧州の自動車メーカー各社は、サプライチェーンの一層の混乱に備えている。 トヨタは12日遅く、東日本大震災に伴う日本からの部品供給不足により、欧州の5工場で4─5月の数日間生産を停止すると発表。IHSグローバル・インサイトのアナリスト、ポール・ニュートン氏は「(サプライチェーンは)良くなる前に悪化する可能性が極めて高い。年央までは改善しないだろう」と指摘。自動車各社は部品の代替調達先を探しているが、仮に供給体制の根本的な見直しが必要になれば、コストは高くつき、対応には時間もかかるとの見方を示した。  独ダイムラーのディーター・ツェッチェ最高経営責任者(CEO)は13日の株主総会で、同社のサプライチェーンにも影響する可能性は無視できないとし、「(影響を)回避し、波及を最小限に食い止めるよう全力で取り組んでいる」と述べた。  2010年の欧州連合(EU)域内でのメーカー別市場シェアは、独フォルクスワーゲン(VW)が約20%、仏プジョー・シトロエン(PSA)が約13.5%だったのに対し、日本勢はトヨタが約4%、日産が3%弱だった。  トヨタが今回生産を停止するのは、英国のバーナストンおよびディーサイド工場、トルコのアダパザル工場、仏バレンシエンヌ工場およびポーランドのイェルチ・ラスコヴビィツェ工場で、4月21、22日、4月25─29日、5月2日に実施される。同社は「サプライチェーン(供給体制)にまだ障害は出ていないものの、短期的に部品不足に陥ることが予想される」と説明。5月の欧州での自動車生産が減少するとの見通しを示し、6月以降の生産予定に関してはまだ決定していないとしている。  米フォードも4月に入り、東日本大震災による部品の供給不足を理由に、ベルギーのヘンク工場で5日間の操業停止を実施した。  仏ルノーは、震災による影響を引き続き分析中としているが、これまでのところ生産停止を実施した工場はない。ただ、同社は震災影響とは別のサプライチェーンの問題に直面しており、3月の販売台数は12.4%減となっていた。  PSAプジョー・シトロエンは3月、東日本大震災の影響で日立製作所からのディーゼルエンジン部品供給が滞っているため、欧州の一部工場で一時的な減産を実施。同社は、すでに生産は通常レベルに戻っているが、将来的に一段の部品調達難に直面する可能性は残っているとしている。

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